名古屋市立大学 呼吸器・免疫アレルギー内科学では、呼吸器、アレルギー、リウマチ・膠原病を中心とした内科領域で、活気あふれる多くの医師・研究者が、日々臨床、研究、教育に励んでいます。

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グループ紹介
呼吸器グループ
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自己免疫疾患モデルマウスを用いた免疫寛容の誘導に関する基礎的研究

関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなど、膠原病疾患の発症や進展に、自己免疫病態(すなわち、自己への免疫寛容の破綻)が主因と考えられています。これらの自己免疫病態を、正常の免疫状態へリセットすることは、膠原病治療における究極の目標です。
私たちのグループでは、おもに、自己免疫病態の司令塔となるリンパ球、T細胞に着目し、T細胞レベルでの免疫制御を目標とした基礎的研究を行っています。
関節炎モデルマウスやSLEのモデルマウスを用いて、mTOR阻害剤やIL-2サイトカイン療法、抗IL-6療法により、制御性T細胞(CD4+CD25HighFoxp3+ T cells 様々な免疫病態や炎症病態を抑制する能力をもつT細胞)を炎症局所で増加もしくはその抑制機能をさらに増強させる方法を検討しています。

膠原病のT細胞表面マーカーに関する臨床研究

リウマチや全身性エリテマトーデスなどの膠原病においては、免疫疾患の発症、増悪にさまざまな免疫細胞が関与しています。しかし、ヒトにおける免疫病態のほとんどは詳細に解明されていません。これらを解明することは、疾患の活動性を予測する検査法や新たな治療法開発の糸口となります。私たちは、リウマチや全身性エリテマトーデスをはじめとする膠原病疾患の臨床検体(末梢血)を用いて、主に免疫細胞(T細胞や樹状細胞など)の表面マーカーを多色フローサイトメトリー解析を用いて詳細に解析を行っています。これにより、ヒトの自己免疫病態におけるリンパ球の役割などを解析し、ヒトの自己免疫病態(リウマチ・膠原病)のさらなる解明を目指しています。また、これらのデータを診療情報とからめて詳細に解析を行うことで、疾患の病勢と相関する因子や、治療有効性/疾患予後と相関する因子を探索し、臨床へ還元することを最終目標としています。

関節リウマチ完全寛解を目指した管理・治療に関する臨床研究

私たちは、関節リウマチの管理目標として「生涯にわたって関節リウマチやその治療に起因する生活機能障害、生命予後の悪化を最小限(ゼロ)にすること」を掲げ、それを実践すべく、適切な早期診断、関節破壊進行のリスク予測、疾患活動性の綿密評価を行い、副作用の重篤化の予防策を講じた上で、疾患活動性を抑制する十分な治療を実施し、より安価に寛解を維持できるよう、疾患の評価や治療に関わる様々な診療情報を解析することにより、完全寛解を目指し持続可能な治療方法を探究しています。関節超音波を取り入れた厳しい寛解基準を設定し、生物学的製剤を計画的に休薬する治療減弱に関する研究や、生物学的製剤治療に抵抗例に対する多剤併用によるMulti-target 療法に関わる臨床研究を行っています。

<当科通院中の患者さんへ>
診療情報を用いた研究「関節リウマチ治療成績に関する多施設共同コホート研究」のご案内

膠原病肺の画像解析

豊富な症例データから膠原病肺の特徴的な所見の解析や臨床像との関連を検討する研究を行ってきました。呼吸器内科と共同でCT画像解析や膠原病における気道病変の研究を進めていく予定です。

免疫抑制剤使用患者における結核/非結核性抗酸菌症の
免疫学的検査の有用性の検討

膠原病グループ

生物学的製剤による強力な免疫抑制治療がリウマチ治療の主体となった現在、潜在性結核や非結核性抗酸菌症などの感染症の診断は極めて重要です。これまで、生物製剤使用投与予定の関節リウマチ患者(免疫抑制治療中)を対象とし、結核診断のためのQuanti FERON-TBやT-SPOT-TBの有用性や、非結核性抗酸菌症(Mycobacterium avium-intracellulare complex)における抗GPL-core antigen IgA抗体の有用性の検討を行っています。