名古屋市立大学 呼吸器・免疫アレルギー内科学では、呼吸器、アレルギー、リウマチ・膠原病を中心とした内科領域で、活気あふれる多くの医師・研究者が、日々臨床、研究、教育に励んでいます。

沿革

ホーム > 沿革

沿革
沿革

旧第二内科歴代教授

*
初代教授
*
卒業大学・卒業年次 京都大学 昭和3年
専門分野 消化器病学(特に肝疾患)
就任期間 昭和25年5月~昭和42年3月
*
第2代教授
*
卒業大学・卒業年次 名古屋大学 昭和13年
専門分野 血液内科学
就任期間 昭和42年7月~昭和53年3月
*
第3代教授
*
卒業大学・卒業年次 名古屋大学 昭和26年
専門分野 呼吸器内科学
就任期間 昭和53年8月~平成5年3月
*
第4代教授
*
卒業大学・卒業年次 名古屋大学 卒昭和44年
専門分野 血液内科学
就任期間 平成7年9月~平成22年3月

呼吸器・免疫アレルギー内科学教室の沿革

昭和25年4月、旧制名古屋女子医科大学と新制名古屋薬科大学が合併し、名古屋市立大学が発足しました。名古屋女子医科大学は名古屋市立大学医学部(旧制)となり、附属医院は名古屋市立大学病院と改称しました。

初代教授 斎藤宏教授(昭和25年5月~昭和42年3月)は、昭和25年9月に名古屋市立大学病院第二内科部長兼務となりました。名古屋市立大学に学位審査権が得られた昭和34年5月に医学部内科学第二講座が創設され、当教室としての歴史が始まりました。斎藤教授の専門は消化器病学、特に肝疾患の臨床的・基礎的研究であり、昭和29年第28回日本伝染病学会総会での特別講演「流行性肝炎について」の発表をはじめとした優れた研究業績があります。当初同門会員は僅か25名程でしたが、斎藤教授の下優れた臨床医・研究者を数多く輩出し、旧第二内科の基礎が築き上げられました。

滝川清治教授(昭和42年7月~昭和53年3月)が第二代教授として就任しました。専門は血液学、なかでも白血球の代謝および機能に関する研究、白血病の早期診断ならびに化学療法、各種血球細胞の細胞化学的および電顕的研究でありました。国際血液学会・アジア太平洋地区総務局長を長年務め、昭和52年第19回日本臨床血液学会総会会長を務めました。また肝疾患を中心とする消化器病学、サルコイドーシス・肺線維症を中心とする呼吸器病学をはじめ、臨床免疫学・神経病学の分野でも優れた専門家を育て、旧第二内科の研究グループの基礎が出来上がりました。

山本正彦教授(昭和53年8月~平成5年3月)が昭和47年7月、名古屋大学医学部第一内科から助教授として着任し、昭和53年8月に第三代教授に就任しました。専門は呼吸器病学で、特に肺結核、非定型抗酸菌症(現在の非結核性抗酸菌症)、サルコイドーシスなどのびまん性肺疾患の研究に優れた業績を数多く上げました。非結核性抗酸菌症については昭和37年日本で初めて診断基準を策定するなど日本の先駆者でした。山本教授は昭和60年第60回日本結核病学会総会会長、平成元年第9回日本サルコイドーシス学会総会会長を歴任しました。また、呼吸器病学のみならず消化器病学、神経病学、循環器病学、血液病学、膠原病学の分野においても多くの優れた専門家・研究者を育てました。

上田龍三教授(平成7年9月~平成22年3月)が愛知県がんセンター研究所から、第四代教授として着任しました。それまでの教室の診療・研究を継承しつつ、上田教授の御専門である腫瘍内科学がもう一つの研究の柱となりました。国内外における数多くの優れた業績を挙げ、とりわけ抗CCR4 抗体(Mogamulizumab)を用いた成人T 細胞白血病に対する治療開発・研究は、がん治療の分野で国内初となる抗体医薬品として平成24年3月に承認されるに至り、難治性悪性腫瘍に対する新たな治療法の確立に貢献しました。
さらに厚生労働省研究班班長や文部科学省がん特定研究代表などを歴任し、平成20 年には第67 回日本癌学会会長を務めました。一方、サルコイドーシスの病態解明(呼吸器)、自己免疫疾患における新規抗原についての研究(膠原病)、高血圧の基礎・臨床研究(循環器)、アルツハイマー病の病態解明(神経)、肝炎ウイルスの病態・臨床像の解明(消化器)など、各グループの研究も進めました。 また上田教授は、平成13 年5月には名古屋市立大学病院副病院長(~平成15年3月)、平成15 年4月から平成19 年3月まで病院長を務めました。平成20年4月からは名古屋市に新設された病院局の初代局長を兼務し、名古屋市立病院群の再編・改革にも取り組みました。

第二内科は、大学院部局化により平成14年4月に臨床分子内科へと名称が変更され、さらに平成19年4月には内科の組織改革に伴って腫瘍・免疫内科へとその名称を変えました。この間、内科の再編が進み、神経グループは平成13年に新設された神経病態学(現神経内科学)へと独立し、当時の第二内科小鹿幸生助教授が初代教授として就任しました。平成18年には名古屋市立大学内科学分野の再編が行われ、呼吸器・免疫アレルギー内科学は呼吸器・血液・膠原病を、消化器・代謝内科学(旧第一内科)は消化器・代謝内分泌を、心臓・腎高血圧内科学(旧第三内科)は循環器・腎臓を担当することになり、旧第二内科の消化器グループと循環器グループがそれぞれの分野へ移動しました。

新実彰男教授(平成24年3月~)が京都大学大学院医学研究科から、第五代教授として着任しました。専門は呼吸器病域で、特に喘息および慢性咳嗽における臨床的および基礎的研究です。平成26年5月には、血液グループが飯田真介准教授の教授就任に伴って血液・腫瘍内科学として独立したため、呼吸器・免疫アレルギー内科学と名称を変更して新たなスタートを切りました。呼吸器病学、膠原病学の各分野において、これまでの伝統を踏まえつつ新しい時代に向けて世界へ価値ある研究成果および最新医療を発信すべく、体制の確立ならびに人材育成を進め、大きく発展していきたいと思います。


【教室沿革図】