呼吸器内科を選んだ理由
漠然とですが、臨床を行ううえで偏りのない診療を行いたいという思いがありました。呼吸器の診療領域は、内科の中でも、腫瘍、感染症、アレルギー疾患、間質性肺疾患、慢性・急性呼吸不全、睡眠障害などきわめて多様であり、診断や治療をするためには、幅広い知識と総合的な判断力が必要です。X線やCTの読影技術を磨くことは大切ですが、問診を通して得られる情報も非常に重要です。また、呼吸器が他の臓器と異なることは、肺や気管支は常時、外気と接触していることです。このため、アレルゲン・喫煙・環境汚染など患者さんをとりまく生活環境にも注意を払う必要があります。 全人的・多角的な医療に携われることが呼吸器内科医の魅力と言えます。
大学での診療と研究について
私は主に“喘息と慢性咳嗽”の診療および研究に従事しています。呼吸器疾患は肺癌、肺炎、間質性肺炎など多くの疾患がありますが、私が従事している喘息および慢性咳の診療について少し紹介します。喘息は呼吸器疾患のなかでも、日常診療で診ることの多い疾患の一つです。喘息患者さんの多くは、適切な治療によりコントロールが可能で、一般的な治療でコントロールされないケースも少なくありません。
当大学病院ではこのような難治性喘息患者さんの治療のみならず病態解明にも積極的に取り組んでいます。また、当科では専門外来として、喘息・慢性咳嗽外来を開設しており、新実教授を筆頭に、多くの咳嗽患者さんの診療を行っています。咳は患者さんが医療機関を受診する理由として最も多い症状です。
特に近年は、胸部X線写真でも異常がなく、一見原因が不明の長引く咳を主訴に来院される患者さんの数が増えています。中には10年以上も咳で悩まされている患者さんも少なくありません。当科では、喘息だけでなく、このような長引く咳の患者さんを対象に、呼気一酸化窒素濃度(呼気NO)測定やアストグラフ法による気道過敏性検査、インパルスオッシレーション法(IOS)、誘発喀痰といった新しい検査法を駆使して新しい診断・治療や病態解明に向けた研究を行っています。また、日々の診療とリンクする様々な疑問を解決することを目指して様々なClinical Questionを研究につなげることをモットーに、現在様々な臨床研究を立ち上げています。
インパルスオッシレーション法を用いた末梢気道過敏性の検討、気道リモデリングの新しいバイオマーカーの探求、慢性咳嗽に有効な治療薬の検討、胃食道逆流症による慢性咳嗽患者の食道粘膜における神経原性炎症の解明などに取り組んでいます。 呼吸器内科に少しでも興味のある方は、是非お立ち寄りください。一緒にいい仕事をしましょう。もしよければお気軽にご連絡ください(上村剛大:t50uemu@med.nagoya-cu.ac.jp)。お待ちしております。
私は名古屋市立大学を卒業後、名古屋第二赤十字病院で初期研修を行いました。その後同院呼吸器内科で後期研修を行い、現在医師5年目となります。
学生時代は内科全般に興味がありましたが、実習を通して呼吸器内科を志望するようになりました。呼吸器内科の疾患は腫瘍、アレルギー、感染症、膠原病など幅広く、また急性期から慢性期まで様々な病態を診られるところに魅力を感じました。例えば肺癌において、初診時から診断、治療、そして緩和ケアも含めて患者さんとその家族と向き合っていくことで、多くのことを学び人としても成長することができます。また気管支鏡・胸腔ドレナージ等の手技も多くあるなど、日々の診療や手技のバランスの良いところも呼吸器の魅力の一つだと思います。
私はまず初期研修の間に軽症から重症までたくさんの症例を経験したいと思い、名古屋第二赤十字病院を希望しました。学生時代には色々な病院へ見学に行き、それぞれの良さがあって迷いましたが、救急外来で初期研修医の先生が中心となって重症例にも堂々と対応している姿を見て、「ここで学びたい」と思いました。当院は初期・後期研修医の数が多く、皆で切磋琢磨し活気にあふれています。また研修医教育が病院の文化として深く根付いているため、屋根瓦式の熱い指導が当たり前のように行われており、恵まれた環境で経験を積むことができます。私も初期研修の後に症例が豊富で専門性の高い当院呼吸器内科での後期研修を行い、充実した毎日を送っています。救急医療に力を入れている病院なので急性疾患や重症例が比較的多いことが特徴だと思います。しばしば迅速な判断が必要とされ悩ましい症例もありますが、忙しい中でも優しく教育熱心な指導医の先生方に恵まれ、相談しやすい環境です。名古屋市立大学呼吸器内科の一員としてより成長するべく、周りの方々に支えられながら日々奮闘しています。また呼吸器内科は学べば学ぶほど奥が深く面白い分野だと感じています。
呼吸器内科に興味のある先生や学生の方々、ぜひ一度当科へ見学に来てください。そしてみなさんと一緒に働ける日が来ると嬉しいです。お待ちしています。
自分にあったonly oneの研修ができます
リウマチ・膠原病は、多臓器に障害を来しうる全身性疾患であるため、その診断・治療・管理において、呼吸器、腎臓、神経、循環器、血液、消化器など、全身の臓器障害に関する幅広い見識をベースとした的確な問診や全身の身体所見評価が重要で、全身を診る内科医としての総合力が要求されます。そのため不明熱や原因不明の症状で紹介されることも多くあります。
現在、当科のシニアレジデントになると、3年目にはリウマチ・膠原病に関連する診療科を内科に限らずローテートすることもできますし、リウマチ内科にfixして研修することもできます。自分に苦手な分野を多く研修するのもよいですし、できるだけ早く専門医になりたい人は膠原病内科に早くfixするのもよいと思います。2017年からは内科専門医のカリキュラムが新しくなる予定ですが、個人個人の希望に沿った自由度の高い研修を推奨する姿勢は変わりません。自分独自の研修を決めることができ、どんな研修を希望しても、当院の各科の指導医の先生方は、熱意をもって、親切に指導して下さるので、充実した研修を送ることができます。そのため、難しいと思われがちな大学でも、各診療科間での垣根は低く、相談しやすく、仕事のしやすい環境だと思います。
他では経験できない勉強の毎日です
当院は、東海地区のリウマチ・膠原病の拠点施設であるため、症例数は極めて豊富です。関節リウマチなどのCommon diseaseのみならず、その他の希少な膠原病の臨床経験を積む上でも、申し分のない環境だと思います。僕も、間質性肺炎合併の筋炎症例やステロイドでは改善しない治療抵抗性の成人still病、膠原病合併の妊婦など、他の病院では簡単に経験できない症例を担当させて頂き、平均して10人前後の入院患者を診ることができるため、常に何かを学び考えさせられる毎日を送らせてもらっています。
また昨今の免疫・炎症学、バイオテクノロジーの進歩により、これまで不治の難病とされた関節リウマチや全身性エリテマトーデス、血管炎症候群などの治療が可能に、すなわち寛解導入のみならず、寛解維持も継続することができるようになってきました。次々に新しい免疫抑制剤や生物学的製剤が開発され、患者さん一人一人にあったオーダーメイド医療が必要とされている現在、当科では、それらの薬剤を「免疫学・炎症学の基本的知識に基づいて適切に使いこなせる薬物療法のエキスパートとしてのリウマチ・膠原病内科医」を養成することを念頭に診療・教育が行われているため、後期研修にて、専門性を高めることができます。当科では学会発表なども積極的に行っており、僕も頑張って、発表に参加させて頂いています。
全身管理や不明熱など、総合的診療に興味がありながらも、専門的な知識も望む人には、膠原病内科は大変ぴったりな診療科だと思います。当院は看護師や検査技師などのコメディカルも本当に優しく熱心で、指導医や研修医も一生懸命な先生ばかりですので、一緒に働いていて楽しいと思います。当院での膠原病内科に興味がある人は、是非一度見学に来て下さい。スタッフ一同、お待ちしております。
私は研修医の2年間を名古屋市立大学、岐阜県立多治見病院で過ごしました。その後、3年目からは呼吸器内科を選択して後期研修の後、名古屋記念病院を経て現在は大学院生として肺癌の基礎研究をしています。
呼吸器内科は感染症・アレルギー・悪性腫瘍・びまん性肺疾患など疾患が幅広く、人工呼吸器を用いた呼吸管理、胸腔ドレナージや気管支鏡・胸腔鏡検査といった処置的な検査や治療もあり非常に多彩です。全身疾患の一症状としての呼吸器症状が出現することもあるので、診療が肺という一臓器にとどまらない点も魅力の一つと思っています。
私は元々内科を希望していましたが、その中でも呼吸器内科に決めたのは研修医2年目の時です。呼吸器内科の研修の際に指導医の先生方に丁寧にご指導頂き、また患者様を大切に診療されている姿に感銘を受けたことがきっかけでした。
呼吸器内科医としての仕事を始めた当初は目の前の問題を解決することに精一杯でしたが、諸先輩方より熱心にご指導頂き、新たな知識や経験を楽しく習得させて頂きました。それは後期研修が終わった後も続き、年を追うごとに呼吸器領域の多彩さ・奥深さに気づかされ、私は呼吸器科を選択して本当に良かったと思っています。
私たちの関連病院には都会の大規模な救急病院から、中小の地域に根付いた病院まで様々あり、また大学病院では各分野のエキスパートが揃っています。私は初期研修から後期研修までは大規模な病院での研修を希望して勤務させて頂きました。それぞれの希望に応じた勤務環境を選択することができると思います。また、後輩を熱心に指導して下さる先生方が多いので、楽しくそして有意義な研修ができると思います。
呼吸器内科や我々の医局に興味のある先生・学生さんは言うまでもなく、今後の進路で迷っている方も、一度我々にお声をかけて頂ければと思います。名古屋市立大学病院呼吸器科や関連病院に一度来て頂ければ、我々の魅力をお伝えできるのではないかと思います。スタッフ一同お待ちしております。
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